第14夜 Lynx「Fantasista」 (CD)

今回は久々にCDを紹介。
Lynxというフルートのアンサンブルグループがあります。
フルートでアンサンブル専門というグループはかなり珍しいのではないでしょうか。
私もフルートには大概詳しい方ではないですが(日本語変ですね)、他に聞いたことがありません。

それでなぜこれを取り上げたかといいますと、アルバム全体的に非常にポップなんです。
フルートの演奏だけ取り上げてもっとうまい奏者はいくらでもいるのでしょうが、そういう人達がWhite ChristmasやWar is Overを演奏するかということですね(いやだから詳しくないので実際のところはどうなのかはわかりません。探せば戦メリを演奏する巨匠なんかもいるかもしれませんし)。
そういう点で私はクラシックとポップを融合させようという試みには評価が甘くなります。しかもかなり。

ただ全体的にポップといってもクラシックとしてのスタイルが消えてしまっているわけではありません。
クリスマスソングを中心に、ポップス、クラシック、そしてオリジナルがバランスよく配置されているのです。
デビューアルバム「Lynx」はクラシックであること、そして4人で演奏することにこだわって少しバランスが悪かったように思いますが、この「Fantasista」では良い方に変化したようです。

フルートは音色はいいのですが単体では少し単調になってしまいがちです。
Lynxはその弱点をアンサンブルにすることによっていろんなヴァリエーションが作れることを証明したと言っても良いでしょう。
この後になにをやってくれるのか、非常に楽しみです。


文責:柚木千夜

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