第9夜 劇団FEVER DRAGON「Wolf」 (舞台)

ここを見ている人のほとんどは説明するまでもなく知ってそうな気はしますが、一応説明。
劇団FEVER DRAGONは池袋の芸術劇場を中心に年に2〜3回公演を行っている小さいけど最近ちょっと大きくなってきたとても素晴らしい劇団です。オフィシャルサイトもあるので探してみてください。

FDの公演の最大の特徴はなんといっても舞台の形でしょう。
小ホールの中央に舞台があり、それを挟むように前後に客席があるというちょっと特殊な形をしています。また客席の方が舞台よりも少し高くなっており、これはおそらくどちら側からでも舞台の奥まで見渡せるようにという配慮でしょう。
この舞台の形には賛否両論あるかもしれませんが、続けているところを見るとそれなりに支持されてるのでしょう。私も大いに支持します。
この形だと見ている側も正面を意識するのではなく、舞台の文字通りの中央とその周りという形で配置を意識することになります。もちろんこちら側を向いて喋ってくれる事もありますが、反対側から見ると奥を向いて喋っている事になるのですから、ストーリーの中心はやはり中央で進んでいくのです。

さてさてWolfですが、秋の公演ということでやはりシリアス色の強いストーリーでした。というか笑いを意識した部分はなかったように思います。
開演前にパンフを見ていて不安になったのは、用語の解説があったこととストーリーが書かれていなかった事でしたが、杞憂に終わってほっとしました。
バックグラウンドにSF的なしっかりした世界観があったためにその世界独自の用語がいくつかありましたが、説明を入れずに前後の流れから意味がわかるようになっていて、パンフを見てなければ理解できないというようなことはなさそうでした。
ストーリーについても火星生まれの四人を中心にまとめられていて、全体として見ると難解でも観ている最中に混乱をきたす様なものではなかったと思います。

結論。
終わりよければ全て良し。
あれだけ差別とか叫んでばたばた死人が出てるのに観終わった後にはすっきりとして帰れるというのは演技がテーマに負けてないからだと思います。
駄文で量ばかりかさんでしまいましたが、とにかく今後も劇団FEVER DRAGONを応援していきます。


文責:柚木千夜

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